パニック障害は人前に出ると発作が起きたり、人と接することに不安や恐怖を感じてしまうという症状です。そうなると、学校に通うことも難しく、大学進学や就職にも影響が出るでしょう。しかし、通信制高校は一般的な高校とは入試方法や授業のスタイルも異なり、パニック障害でも通いやすくなっています。
そこで、通信制高校とはどのようなものかご紹介しましょう。
パニック障害になったら
パニック障害とは、過度のストレスなどによって突然に発作が起きる症状です。心臓がどきどきしたり、冷や汗が出たり、呼吸が早まり息がし辛くなったりと、パニック状態に陥るのです。突然に起こる症状ですが、一度起こると再び起こるのではという不安に駆られ、恐怖感を持つようになります。
そのため、人前に出るのが怖くなり、外出できなくなってしまいます。10代から20代の女性に起こりやすい症状とされており、学校に行けず不登校となってしまうことも多いようです。小学校や中学校の場合、不登校で学校に行かなくても卒業することはできますが、高校は義務教育ではないためきちんと通わなければ卒業することはできません。
しかし、パニック障害になると高校を卒業できないわけではなく、通いやすい高校に通うという選択肢もあります。全日制の高校には通うことができなくても、遠隔授業を行い出席日数も少なくて済む通信制高校なら、パニック障害でも卒業することができるでしょう。
通信制高校の種類と特徴
通信制高校には狭域通信制高校と広域通信制高校があり、狭域は居住地によって受験できる地域が決められている通信制高校で、広域は地域に関係なく受験できる通信制高校です。狭域通信制高校のほとんどは公立、広域通信制高校の多くは私立となります。
広域通信制高校は私立だけあり、パニック障害など様々な心の悩みを抱える生徒のサポート体制も整っており、安心して通えるのが特徴です。狭域は受験できる地域が限られているうえに受け入れ人数にも限りがあるため、倍率が高くなることもあります。
通信制高校の仕組みとしては、学校で授業を受けるのではなく基本的には自習で勉強を行い、レポートなどを提出して単位を取得する形となります。学校に毎日通わなくても良い反面、自分自身のスケジュール管理能力ややる気が求められる学習方法といえるでしょう。
出席日数も決まっていますが、年間数日だけや週に2日から5日と学校によって幅があります。単位取得のための試験も学校に行って受けるだけでなく、インターネット上で行えるところも増えています。
通信制高校のカリキュラム
通信制高校は、パニック障害で全日制の高校に通えない人だけでなく、社会人になってから学びなおしたい人やお年寄りになっても勉強を続けたい人など、様々な人が通っています。そのため、一般的な全日制高校のようなカリキュラムではなく、学校によってバラエティに富んだコースが用意されているのが特徴です。
総合コースは通信制高校の標準的なコースで、高校卒業資格を得るに値する単位を取得できます。進学コースは、総合コースでは大学受験のレベルに達する学力はつけられないため、それを補足するためのコースとして用意されています。
芸能コースは、モデルや歌手、俳優などとして活躍したい人が歌のレッスンや演技指導、自己表現方法などを学べるコースです。そのほか、美容コースでは美容師の国家試験を取得したり、ネイリストやエステティシャンとして働けるような技術を学ぶことができたり、スポーツコースでは専門的にスポーツのレッスンが受けられたりします。
それぞれのコースは、就職のサポートもしてもらえるので安心です。しかし、通信制高校は単位を取得すれば卒業できるとはいえ、3年間通うことが義務付けられているため、全ての単位を2年で取得したからといって2年で卒業できるわけではありません。
通信制高校の学費
通信制高校の学費は、公立と私立で異なります。公立の通信制高校の場合は、入学金が500円、授業料は1年間で1万円から3万円が相場です。そのほか、諸経費として1年間に3万円ほど必要なので、1年でかかる学費は4万円から6万円ほどとなります。
私立の通信制高校の場合は、入学金が2万円から5万円、1年間の学費が20万円前後、1年間の諸経費が3万円ほどとなるので1年間にかかる学費は25万円から28万円ほどです。全日制の高校の学費は公立なら24万円ほど、私立なら75万円ほどかかるのが相場であるため、それよりかなり安い金額で通えることになります。
ただし、通信制高校は単位の取得のスケジュールなどを自分で決定しなければいけないほか、自主学習で単位を取得するのが難しいと感じる人もあり、サポート校を利用する人もいます。サポート校は通信制高校のレポートや認定試験の対策、スクーリングのサポートなどもあり、通信制高校を確実に卒業するためのサポート施設です。
サポート校の授業料は、1年間で50万円から100万円が相場で、通信制高校の学費と合わせると私立の高校ほどの学費になります。
通信制高校の受験方法
通信制高校の受験では、全日制高校のような筆記試験はありません。基本的に落とすためのテストではないため、作文と面接のみというのがほとんどです。勉強したいという気持ちさえあれば、入学を許可されます。また、通信制高校はパニック障害の生徒も多く受け入れているため、万が一面接の時にパニック障害が起こってもリラックスして面接が受けられるよう計らってくれるでしょう。
受験においても、心に悩みを抱えた人をサポートする体制が整っています。通学の日数も、週5日通う通信制高校であったとしても、最初のうちは週2日から始めるなど、慣れるまではゆっくりしたペースで通うことも可能です。
毎日通わなければならないという強迫観念がないのも、パニック障害の症状を抑えるのに役立つはずです。そのうえ、通信制高校にはパニック障害を抱える生徒も多く通っているため、同じ悩みを抱える仲間を見つけることができるのも心強いでしょう。
先生や親には相談できない心の悩みも、仲間になら心おきなく相談できるかもしれません。一度パニック障害になってしまうと、自力で治すことは難しいため、病院や適切な機関での治療を受けながら通信制高校に通い高校卒業の資格を得るのがおすすめです。
参考元⇒通信制高校
https://tsusinsei-guide.net/