障害と通信制高校

通信制高校、卒業証書は貰えるの?

通信制高校は、あまり馴染みがないかもしれませんね。高校生と聞けば制服を着て、毎日学校に通うイメージが湧くと思います。しかし、通信制高校では毎日学校に通う必要はありません。そういったことから、通信制高校は高校を卒業した証を貰えるのか、どういった人たちが通っているのか、など様々な疑問を持つ方も多いと思います。

今回は通信制高校とはどういったものかを説明していきたいと思います。

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そもそも通信制高校とはなにか

日本では小学校中学校までが義務教育とされ、高校からは働いても良し、学校に通っても良しの自由選択となっています。高校に進学するためには試験を受けて合格しなければいけません。高校には全日制・定時制・通信制などの種類があり、そのうち全日制と定時制は毎日学校に通わなければなりません。

しかし定時制高校では毎日学校に通う必要はなく、基本的に自宅での勉強が中心となっています。与えられた課題を自身が勉強時間を設定して行い、レポートを提出、さらに試験をこなして単位を取得することで卒業することができます。

通信制高校の特徴

通信制高校は基本的に自宅で学習し、レポートを提出します。それら提出されたレポートは教師が添削し、その後返送されます。ここで勘違いをしている方が多くいますが、レポートを出すだけで学校には行かずに卒業できる、というわけではありません。

通信制高校ではスクーリングといって実際に学校に赴き、決められた日数分だけ授業を受けなければならず、ここで授業を受けずに単位を取得することはできません。そして、各教科、科目ごとに単位認定試験をうけます。その名の通り、こちらも試験を受けなければ単位を得ることはできません。

レポートを提出する・スクーリングとして決められた日数登校する・各教科、科目ごとに単位認定試験を受け合格する、これら三点をこなし年間74単位を取得します。さらに三年間で特別活動に参加することで卒業資格を得ることができるのです。

そんな通信制高校にも、全日制や定時制と同じように入学試験というものはあります。ですがそれらとは大きく違うポイントがあります。通信制の試験とは落とすための試験ではなく、受け入れるための試験と言われており、合格率はとても高いとされています。

試験内容は学力テストがメインではなく、面接や作文、軽い筆記テストです。そのため、どなたでもチャレンジしやすいかと思われます。

通信制高校に通うメリット

通信制高校は全日制や定時制とは違い、自身の時間を多くとることができます。月に数回のスクーリングとレポート提出、試験を除けばあとの時間は自由に使うことができます。そのため、通信制には学業に時間を割くのが難しいアスリートや芸能活動をしている方も多く通っています。

病気であまり外に出られないなど、定期的に学校に通うのが難しい方でも卒業することが可能です。さらに、通信制は費用が比較的安いです。金銭面の問題で全日制や定時制に通えないという方でも、自由に使える時間を活用しアルバイトをしながら通うことができます。

時間に融通が利くので正社員として働きながら通っているという方もいます。そして、いつでも入学できるというところもメリットだと思います。春入学だけでなく秋入学を設けている学校も少なくありません。さらに別に入学式は出なくてもいい、という方ならば一年間を通していつでも入学することが可能なところもあります。

通信制に通おうと決めたけど来年の春まで待たなければならない…なんてことにはならないのです。

通信制高校に通うデメリット

もちろん、通信制高校はメリットばかりではありません。全日制や定時制では学校に行きさえすれば時間通りに授業が始められ、カリキュラムに沿って教師が指導を行ってくれます。しかし通信制では自身で勉強時間を確保し、提出するレポートも教科書を見ながら一人で作成しなければならず、分からない部分をすぐに教師に聞くこともできません。

そのため、どうしても怠けがちになってしまいます。なかなかやる気が起こらず何年も卒業できない人もいます。自らで勉強時間を設定し継続することが難しいという方は、塾など継続的に通い勉強することができる機関を利用することがオススメかもしれないです。

さらに、あまり登校することがないためコミュニケーションの場が少ないです。学校で出会った友人と出かける、なんてことは難しいかもしれません。そして、学習内容が優しすぎるという声もあります。通信制高校は学校にあまり通えず学力が不足しているという方も多く受け入れているので、学習内容は優しく設定されています。

有名大学を目指している方にはその内容は物足りないかもしれません。

通信制高校を卒業すると

通信制高校に通っている三年間、きちんと単位を取得すれば無事に卒業することができます。卒業時には卒業証書が与えられ、全日制と同様、高卒資格が得られるので大学に行かず就職をする際にも高卒扱いとされます。たとえ全日制に通っていたとしても、途中で退学してしまった人は中卒扱いになります。

中卒と高卒では、就職をするときに給与に差が出たり、雇ってもらえる率が大幅に違うなど待遇が大きく変わります。高校を中途退学してしまった、または中学卒業と同時に就職をしたなどの理由で、高卒認定試験を受けることを考えている方もいるでしょう。

高卒認定試験を受けると高校を卒業したと同程度の学力があるとみなされます。そのため、試験を受けて合格すると大学などの試験資格が与えられ、合格・卒業することが可能となります。しかし、ここで間違えてはならないのが高卒認定試験に合格しても高卒資格は得られないということです。

高校卒業と同程度の学力がある、というだけの証明で終わってしまいます。その場合、就職をするときの募集要項に高等学校卒業と書かれていれば、卒業資格がないため内定に響いてしまうかもしれません。そうならないためにも、高卒認定試験を考えている方には通信制高校に通うことも考えてみていただきたいです。

働きながらでも自分のペースで勉強を進めることができ、単位さえ取得すれば高卒資格を得ることができるので無駄なく時間を使うことが可能です。通信制高校の応募資格は中学を卒業していること、または中学校卒業見込みであることなので中学校を卒業していれば誰でも、何歳でも入学することができます。

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